バイオマスの活用

私たちMGCウッドケムの事業は、旧・豊年製油(株)で大豆油の搾りカス(大豆タンパク)を木材用接着剤に活用したことにはじまります。バイオマス(大豆タンパク)の有効活用を見いだし、バイオマス(木材)の利用拡大に貢献することが私たちのDNAであり開発ポリシーです。MGCウッドケムは化学品へのバイオマスの活用や木材、特に国産材の利用拡大に貢献し、持続可能な社会を実現していきます。

バイオマスとは

バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源のことをいいます。代表的なものに木材、稲わら・もみ殻、資源作物、食品廃棄物・残渣、家畜糞尿などがあります。なかでも木材などの植物資源は、成長過程で光合成によりCO2を吸収するとともに、建築材料などに使用することで炭素を長期間にわたって固定化するという効果があります。したがって、保全・育成された森林の木材をはじめとする植物資源の有効利用は、化石資源や鉱物資源の使用と比べてカーボン・ニュートラルの実現に近づきます。

日本の森林と資源の循環

なぜ木材の活用が必要なのか?

日本の森林

日本の森林面積率は世界トップクラスで、うち4割が人工林です。戦中・戦後の乱伐により森林資源が減少しましたが、その後に植林されたスギなどの人工林が成長し、伐採適齢期を迎えています。近年の森林蓄積量の増加は約1億m3/年と日本の木材需要量(8千m3/年)を上回っていて、理論的には木材自給率100%以上が可能です。

森林・木材とCO2削減

日本の人工林は10齢級(樹齢51年)以上が過半を占め、高齢化が進んでいます。森林は成長過程でCO2を吸収、固定化しますが、高齢になると成長速度が低下し吸収量も低下していきます。
日本は森林資源大国ですが高齢化が進んでいるため、気候変動防止へのカーボン・ニュートラルに向け、「伐って、使って、植えて」という資源の循環利用を進め森林の再造林を図るとともに、木材利用を拡大することが必要です。

国産材をもっと活用し、森林を循環させたい

日本の木材自給率

戦中・戦後の乱伐により森林資源が枯渇したことから、木材自給率は減少を続けていき徐々に輸入材に依存する状態となりました。2002年には19%まで減少しましたが、戦後に植林されたスギなどの人工林が成長し利用可能な状態となり、現在は40%まで向上してきています。さらなる国産材の利用拡大へ、国もさまざまな政策を取り組んでいます。

木材供給量及び木材自給率の推移出典:林野庁「令和3年木材需給表」

出典:林野庁「森林・林業・木材産業の現状と課題」

MGCウッドケムの起源
~バイオマス活用のはじまり~

  • SDGs 9
  • SDGs 15

大豆油の絞りカスを木材用接着剤に

MGCウッドケムの母体である豊年製油(株)は、1919年に創立された大豆油などの食用油メーカーでした。豊年製油は「大豆の一粒たりとも無駄にしない」を理念に、醸造原料、豆腐原料、飼料、肥料などの斬新な商品を開発していきました。
昭和初期の合板用接着剤は海外からのカゼイン(ミルクたんぱく)を使用していましたが、大豆油の絞りカスは植物性たんぱくを豊富に含んでいることから接着剤に使用できるのではないかと研究に着手しました。1933年に木材(合板)用接着剤『豊年グルー』を開発、発売したことがMGCウッドケムの起源です。当時、植物性タンパクを利用した接着剤は世界でも珍しく、日本では初めてのものでした。『豊年グルー』は接着剤を必要としていた合板産業で受け入れられ、広く使用されるようになりました。

豊年グルー

戦後になり合板用接着剤は耐久性に優れたユリア樹脂などの合成樹脂に切り替わりましたが、バイオマス(大豆タンパク)を有効活用し、バイオマス(木材)の利用拡大をおこなうというMGCウッドケムのDNAは、SDGs時代の今、再び活かされています。

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